honobon

すべて、至るところにあるのhonobonのレビュー・感想・評価

すべて、至るところにある(2023年製作の映画)
3.7
託されたもの

リム・カーワイ監督、川和田恵真さんのアフタートーク付きにアデラ・ソーさんも。

バルカントリロジーの最終章、と言われても2作を見ていない。更には、リム監督はバルカン半島のイメージはあってもそうと言われて文字だけしか見てなく、何処なのかピンときていなかった。
そして映像を見て一瞬でなるほどとわかる。

ミニマルなクルーで定まった脚本がなくとも海外に乗り込んで映画を撮る。その魅力と語るべきモニュメントたちでお腹いっぱいではありながらも、語りきらない物語と混ざり合ってまさにジェイのように瞼を閉じると映像が浮かび上がるような後味。

(劇映画としての)前作『あなたの微笑み』はある種のアンプロフェッショナルと見せかけた映画のプロフェッショナルの作品であって、"(様々な)ある視点"を持った映画というものが好きな立場で素晴らしいと感じていた。

あぁ、リム・カーワイ作品てこういうものだよな、って。現実と劇映画の境目が突然ぼやけはじめメタだとは思うのだけれどそこまでに感じない現実の見え方。
あのお父さん、本当に出たくなかった雰囲気感じるし、カフェにいる人たちの自然さ。そして、バルカン半島を舞台に作品を撮った映画監督。
honobon

honobon