ようやく新作の劇場公開が再開されるということで、それに向けての「お勉強特集」を久しぶりに。
お題は異色の(?)ゾンビ映画「デッド・ドント・ダイ」がまもなく日本公開のジム・ジャームッシュ。とりあえず律儀にデビュー作から観てみましたよ。
大学の卒業制作である本作でいきなり脚光を浴びたとのことなんですが、映画弱者であるおっさんが40年経ってから観ると「いかにも才気走った若者が撮ったお洒落なミニシアター系」とのざっくり感想になってしまいます。
散りばめられる文学的な要素なんかも生硬に感じ、ちょっと青臭さが鼻に付く...けど、作った年齢考えたらそりゃそうだわな。
「行く先々でいろんな人と変な会話して、最終的に...」という構成は、劇中の音楽でも仄めかされている通り、おそらく「オズの魔法使」が踏まえられてるんですよね?
ただ結論は裏返されているというか、アメリカの田舎で生まれ、パリやニューヨークへと転じるジャームッシュ青年の「流浪の民」としての人生観が素直に投影されている。そのデリケートな感覚の瑞々しさと普遍性は、なんだかんだ共感度高かったです。