秀ポン

マイノリティ・リポートの秀ポンのレビュー・感想・評価

マイノリティ・リポート(2002年製作の映画)
3.7
『PSYCHO-PASS』と『ヘビーレイン』の合いの子みたいに感じたけど、もちろんそれは逆で、この映画からそれぞれ違う側面を継承したのが『PSYCHO-PASS』と『ヘビーレイン』なんだろう。

PSYCHO-PASS
犯罪者を未然に逮捕するシステム。そしてそのシステムが根本的に人に依拠してる点。
システムにアクセスするのに網膜認証が必要な点とかも目配せなのかも。

ヘビーレイン
子供を誘拐された主人公、あとデバイスを操作するときの、ちょっと面白い手の動き。ショーンって名前の子供。

世界の仕組みとかの大きな設定を継承したのがPSYCHO-PASSで、理不尽な状況に置かれる主人公周りの設定を継承したのがヘビーレイン。

目玉とかのエグいシーンが所々あって、スピルバーグの映画のワクワクとエグさのバランスって、ジャンプ漫画のそれに近いかもと思った。思っただけで、例えばこの点がどうだとかは無いけど。

システムによる犯罪抑止ってテーマの膨らませ方で言ったら、流石に後発のPSYCHO-PASSの方が先に行ってる感じはする。マイノリティリポートはどっちかっていうと、自分の犯罪が予知されるっていうヒッチコックみたいな不条理にも重心が乗っている。(これもまた逆で、この映画から不条理要素を削ってシステム面を膨らませたのがPSYCHO-PASSなんだろうけど)

子供の仇と思わしき男との対峙シーンとかは胸糞悪すぎて、なんだこの最低な映画は、とか思っていた。
ごめんよぉ、とか簡単に言えちゃうのが、改心出来ちゃうのがもうどうしようもない。(ファイアパンチのドマみたいな、じゃあこの怒りはどこにぶつけりゃいいんだよ!?って感じ)
まあその後に真実が明かされるんだけど、それはそれとしてこのシーンの理不尽感は最悪で、感情を揺さぶられた。

さまざま入ってくるワクワク要素が面白かった。
ゲロを吐かせる警棒、あと人の食卓とか団欒をめちゃくちゃにするシーンってなんでこんなにワクワクするんだ。
未来自動車工場での追いかけっこ、ぐるぐる回して衝撃波を発する銃、完成した自動車に乗って脱出。
侵入者をパンチする改造毒性つた植物←この無法図な未来感がなんか面白い。
目玉の交換(永遠の万華鏡写輪眼みたいな感じで面白い)、金魚みたいにビニール袋に入ってる目玉、ハズレの方のサンドウィッチと牛乳を食べちゃう福笑いみたいな面白シーン。
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