パイルD3

熱烈のパイルD3のレビュー・感想・評価

熱烈(2023年製作の映画)
4.5
「エイリアン:ロムルス」では無重力状態を上手く使っていて感心させられましたが、この作品に登場するブレイキンダンサーたちを見ていると、この人たちこそ無重力空間にいるように見えてしまいます。

全く体重を感じさせません、見ているだけで私も13.7キロくらい軽くなりましたよ…
ま、それはないか…

《魂が熱烈!》
パリオリンピック以降日本でも人気が過熱しているブレイキン(=ブレイクダンス)を題材にしているので、今年後半戦の期待値高い一本ではありましたが、ガチなドラマにあまりもの不意打ちを喰らって熱かったです!

うっかりするとベストに推してしまいそうな映画全体の熱量が胸元にグサグサ刺さってくるし、文字通りの熱烈が能天直撃でした。
いつものことながら感涙です、どこかで展開が読めていながらもドカンとあっさりやられました😭

《無重力》
私は、このように賞賛の言葉がこらえ切れずにダダ漏れしたり、軽めの言動と擬音が多かったりする時は、かなり感動してまとまりのない別次元にいる時なんですが、今がそれですね 
レビューも軽めで無重力状態なのでそこいらをどうぞお察しくださいませ

《ブレイキン》
ブレイキンというスポーツ自体、先のパリオリンピックで競技として初めてフルで見て、ウ!スゲ!って感じでしたが、もちろん、アクロバティックなテクニックと人間技を超越したような高速美技の連続であることは見ればわかります。
ところが、ルールは全くわからないんですよ、で、みんなスゲ!なので、優劣ポイントなんてまったく不明です…

しかし
それを誰でもわかり良い、特殊競技のバトルストーリーに仕立てて、ブレイクダンスのかっこよさとクオリティを弾けさせて、予想外にドラマ部分を分厚く見せたのが奏功しています。


【熱烈】

ダンサーだった亡き父親の至芸を見て育った青年(ワン・イーボー)がバイトしながらブレイキンダンサーのプロチームに入り、大会出場の夢を追うという明快なストーリー。

《サウンド&カメラ》
あれこれ書き連ねても、実体の細部を拾い切れない体感重視の映画ですので、なるべく音響設備の良いところでご覧いただければと思います!

カメラワークは、寄りの多い粗雑なカット割を減らして、妙技の一連の動きをワンシーンで見せるところを増やして欲しかった気もしますが、サウンドもダンスも冒頭からグイグイくるのでパワーが違います。

《キャスト》
イケメンすぎる主演のワン・イーボーが、果てしなく清々しいですね、日本でも更にファンが増えるのは間違いありません

最初はなんか胡散臭かったほぼ長州力の分身のような人気チーム“感嘆符“のコーチ(ホアン・ボー)が、人間の業、情、欲、誠といった内面と底辺で対流する“熱烈“を魅せるんです。
(どうでもいいことですが、パンフの後ろの見開きページの手の動きはいかにもリキラリアートのポーズです)

《華流映画の進撃》
女性ボクサーを描く「YOLO 百元の恋」といい、本作といい今年の華流映画はスポーツバトルのクオリティの高さを知らしめています。この流れは止まってほしくないですね。
改めて、今年は盛り上がりを見せているアジア圏全体の映画繚乱時代を期待しております

《ぜひ!》
あまりこんな勧め方はしないのですが、これはぜひ多くの方に観てほしい一本です!
パイルD3

パイルD3