パイルD3

べイビーわるきゅーれのパイルD3のレビュー・感想・評価

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)
4.5
グレン・パウエルの「ヒットマン」には何故かプロの殺し屋は出てこないけど、これには凄腕の殺し屋とか変なのがゾロゾロ出てきます。

ドラマ配信もスタートして、まもなく公開の劇場版PART3とドキュメンタリーの特別編が待ち遠しいのですが、まずはシリーズにも触れておきます。

これは“絶対ありえない“をどこにでもある日常に放り込んだ絶品のお仕事ストーリー


【ベイビーわるきゅーれ】

ま、お仕事にもいろいろありますが、主人公の杉本ちさと(高石あかり)と深川まひろ(伊沢彩織)は道ならない裏稼業を本業としながらも、表向き社会人としての身の証を立てるため、副業を探さねばならない身上。

コンビニのねっとりとした面接からの驚愕の展開で始まるこの第1作は、表社会入門の就活編といったストーリー。

時折、裏社会、反社、ヤサグレ、ヤカラ系が画面を埋め尽くしますのでバイオレンス過多ながらも、これこそ実は今の時代を生きづらく生きるZ世代の気分を、ガッチリ掴み取っている稀有なエンタメシリーズだと思いますが、その手の評価は少なめですね。
でも見落とせない部分です。

《魅せるダイアローグ》
演じる2人もキャラクターに成り切っているので、脱力、無気力、苛立ち、焦り、ゆとり、怒り、遊びが混在するダイアローグ部分が並ぶもの無しと言いたくなるほど絶品です。

《ぶっ壊れ気味の完璧なバランス》
そして、時折こぼれる彼女らの心情吐露は、思わず同情したくなることばかり。
こんなにも気分がアップダウンの激しいクレージーな2人が、いつしか愛おしくなってしまいます。

ディープなゲーマー、生活意識低めで愚痴多めとしっかり変な共有ポイントを持っているが、無駄な喧嘩が絶えず、なんで一緒にいられるのかが不思議なくらい相違する性格…
しかし危険と背中合わせの裏稼業に臨む時の微塵もブレない呼吸は、奮い立つほどの無類のかっこよさ!
バディとしての友情がそこにはあります。

《無双スキル》
設定が見事なのは、やはり普通のバイトをやるのには恐ろしく苦しむくせに、常人には皆無の桁違いのものすごいスキルを持っているところ。
ただ、それは町行く社会人には全く不要なスキルで、裏社会に通じる本人たちにしか役には立ちません。


◾️雑記 『キャリア浅っ!』
PART2もなかなかやってくれますが、2人の登場以来、こんな惚れ惚れするヒットマンはいません…早く新作見てぇー

シリーズ化には感謝あるのみです!

それはそうと…
比較的近年の作品でも、実はフィルマキャリアがまだ一年足らずで浅いので、このように過去に観ている作品はどんな人気作でも、ここでは初レビューになります。
必ず再見してから記事にしますが、ま、時差出勤みたいな感じですね、ご容赦を🙇
パイルD3

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