雪化粧をはじめた聖夜の街。クリスマスソングの歌声を気の抜けたラッパと悲鳴にかえて、キュートなアートさんが、凶器を絵筆に真っ赤っ赤の赤に描く壊画壊巻[かいがえまき]!
個人的にはINKとARTの夢のコラボ作品で書きたい事多すぎて、整理がつかず、考察系でもないのに2回鑑賞(どうかしてる)。長文すんません。
クッキーのお礼にお皿は洗う律儀なトコ好き。
物語は一度、惨劇の終わったかに見えた5年前へ。ヴィッキーから再誕したアートさん。首から下も入念なカモフラージュ(?)で無事到着。
初めての共同作業はケーキじゃなくて、クリス・ジェリコ。
物語は現在へ、PTSDを患うシエナは療養施設からマイルズ・カウンティーの叔母宅へクリスマスを祝う為戻ってくる。ジョナサンは大学の優等生として頑張ってる。
火炎放射から液体窒素へ、お気に入りのオモチャもクリスマス仕様に。
サンタさんに会った時のアートさんのはしゃぎようが、まさにキッズ。サンタ・コスもキマってるね!見事になりすまして、ドッカンテロ。
今作ではモラルや道徳の皮をさらに1枚引っ剥がした感ある。
ニュースのインタビューに答えるトム・サヴィーニさん。技術継承はなされたでしょう。
大学寮で褒めちぎられると、止せよ〜、照れるじゃねえかってジェスチャー好き。
チェンソーギコギコにヴァージョンアップ。彼氏いい奴だったのにあんまりだ。ポッドキャスト女子の望みを叶えてあげる優しいアート・サンタ。
シエナの夢は、聖母様に強制的にダガーソードを鍛造されられるアートさん?
それが魔王にバレて現世に島流しにされたとか?
サンタ帽の可愛いアートさんと血濡れの荊冠を戴くシエナとのチェンソーとダガーソードの火花散らす鍔迫り合い。アクションもギミックを散らしカッコいいね!聖痕等の宗教的モチーフは詳しい方にお願いします。
バス停のアートさんが、ポーランドの画家ヤン・マテイコが16世紀の宮廷道化師を描いた彼の名でもある『シュタンツク』(通称)(1862)の雰囲気。道化師の悲哀や哀切を描く(「悲しい道化師のパラドックス」というそうな)。そっちに全フリしたのが『ジョーカー』とも言えるのではなかろうか。
バスに乗ってた女性が読む『9th circle』。『テリファー0』の1作目の短編タイトル。ダンテの『神曲』(未読です)の地獄の事でしたよね? ガビーの台詞 “一緒に月に行こう”。月=地獄?4は地獄巡り? まぁ宿題。
ゴアスラッシャー映画が活気を帯びスラッシャー・ルネサンスみたいになったら面白い。
ジョナサンの部屋でかかっている曲は ICE NINE KILLS の『A Work of Art』
https://youtu.be/k9TzUxGPbI0?si=NRt70H0gug93thzU
ライヴハウスでアートさん大暴れ! その多才ぶりが遺憾なく発揮され、産婆、ベーシスト、ピアニスト、トランペッターをこなす。黒焦げのクラウン・カフェのお姉さんも歌う! ウォール・オブ・デスがアートさんの所為で、死屍累々の地獄絵図に。こんな破茶滅茶なブレイクダウン聴いた事ない。メロコア喰らった世代は懐かしく感じるトコあると思う。ダミアン・レオーネさんも出演し、キレ演技を披露してる。
映画に話を戻しますと、単作のオマージュに留まらず合わせ技というヲタクにしか思いつかないことやってる。
『悪魔のサンタクロース』+『シャイニング』。『サイコ』+『悪魔のいけにえ』(違ってても笑顔で許しておくんなさい)。
そして、それをほぼ網羅しているであろうというのが、INKのALBUM 『The Silver Scream』(2018)と『Welcome to Horrorwood:Silver Scream 2 』(2021)です。
ほぼ全ての曲が名だたるスラッシャー系ホラー映画のインスパイアソングで構成されている、言わば血なまぐさいYOASOBI(ファンの人すみません)。
オタクの悪癖ですが、私のフェイバリットは『SS1』より『ハロウィン』インスパイアの「Stabbing In The Dark」。『〜SS 2』から『チャイルド・プレイ』インスパイアの「Assault & Batteries」。コメント欄にてアルバムの邦題付きトラックリストを置いておきますので、気になった方はパロディ満載のMVをご覧になってみてはいかがでしょうか。
エンド・クレジットのDREAMKIDさんの「Chrissy」も聖夜の悪夢から現実へと戻る、その夢境をたゆたうようなシンセウェーブが素敵でした。