ノラネコの呑んで観るシネマ

毒娘のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

毒娘(2024年製作の映画)
3.6
ある家に引っ越してきた訳ありの一家が、神出鬼没の超バイオレントな赤い服の少女“ちーちゃん”に悩まされる。
一家の両親は再婚で、才能ある服飾デザイナーの妻は仕事の再開を夫から反対されている。
夫の連れ子の娘は、抑圧的な父親に対する嫌悪感と、過去のある事件に対する複雑な想いを抱えて不登校中。
鬱屈している女性たちにとって、ちーちゃんが反乱の触媒となる構図。
面白いんだけど、今ひとつピリッとしない。
継母と娘の葛藤とわだかまりは理解できるが、肝心の毒娘ちーちゃんが何をやりたいのか全く分からない。
最初は都市伝説系の妖怪キャラみたいなものかと思ったが、そう言う訳でもない様だし。
確かに父親はかなりクズだけど、あそこまで悲惨な目に遭わせるほどでも無いだろう。
なので、あんまり爽快感も無い。
女性たちの抑圧からの解放の話と、エキセントリックな殺人鬼、ちーちゃんの中途半端な設定が乖離してしまっている。
終盤なんて完全にマイケル・マイヤーズ化してるので、最初から超自然的な存在にしてしまった方が良かったのでは。