nakaji

毒娘のnakajiのレビュー・感想・評価

毒娘(2024年製作の映画)
2.5
観客に問題意識を持たせるな
カッコつけないで雑念をすてて純粋にホラーに集中しましょう

元ネタは10年以上前のネットの掲示板で実話なのか、フィクションなのかは分からない話だそうですね
まあ、そんな事はどうでもいい

監督が”ミスミソウ”の監督なんですね
”ミスミソウ”
昔、観に行ったんですが、なんと寝てしまって内容がサッパリわからなかったんですよ
評価の高い作品なので、ちょっと内容を調べてみると、ホラーだったんだ
けっこう、恐ろしい話だったんですね
でも寝てしまった

これが、この監督の実力じゃないでしょうか
今回も内容はけっこうエグいのに、実は全然怖くない
今回は寝なかったから、少しは進歩したんじゃないかな

ポスターを見てください
血まみれの女の子の顔のように見えますが
、赤いペンキです
同じようにストーリーは怖いけれど、映画はあくまで作り物でリアリティーが無い
ホラー監督としての力不足じゃないですか

今回は、2人の少女の背景を問題視して誰が悪いとかは興味本位の範疇にとどめて、純粋にホラーとして観るべきだと思うんですよ
そりゃあ、ヒロインの中絶にはあまりいい気がしませんでしたけど
”ミスミソウ”もなんか問題提起するような話しやったんちゃうんちゃう?
寝てたから知らんけど
そんなのがよく高評価になるんですよ

設定、ストーリー、アイデアはいいのに怖くないのは
演出がダメなんです
もちろん、2人の少女の力不足もあるし、
ちょっと酷かもしれないけれど、ちーちゃん役の女の子は容姿が幼すぎるのも原因です
その幼すぎる容姿を逆に恐ろしく見せるのが演出なんですが、それが出来てない
監督が何を見せたかったのか?ホラー以外を意識していなかったのか?
ホラーとしてみれば、イメージが貧困すぎる
ホラーはやめた方がいいかも

ホラーは恐怖、グロ、そして観客を驚かせないといけない
若い頃、”タイタニック”を観た
凍死した死体が浮き輪の上から上半身突き出した状態でたくさん浮いていた
若い僕はそれがイメージできなかったというか、考えもしなかったのでビックリしたし、背筋が凍った
今なら多分平気だろうけど、その頃は衝撃だった

そんなシーンが皆無
女の子は年齢からいって当たり前だが、なんのオーラも出ていないし、ただ言われたことをしているだけ
こんな時は、照明を暗くしたり、怖い音楽を鳴らすなり、サポートしないとね
刺したハサミを開くくらいがグロいと思っているようじゃダメなんです
だいたい、刺したハサミが女の子の力で開くわけないし
開いたまま刺して閉じるならできるかもだけど、もうひとつだなあ
R15やめてR18までやって
目玉引きずり出すとか、舌や唇ちょん切るとか
耳削ぎは定番かなあ、いっそパンツいっちょうにさして、下半身もいい
後ろでも前でも、穴も突起物もある      
このようにハサミならやりようがあるでしょうに
実際のリンチなんか、口に折れた鉛筆をいっぱい詰めたり、カミソリを口に入れられて殴られるんだから

顔もペンキ塗りたくったり、バツ書いたりするのは、文化祭の仮装のイタズラ書きみたいじゃないですか
アレが血ならまた違うけど、ペンキなら顔全部を真っ白に塗ってしまう方がシンプルに怖いと思うんです
例えば、”呪怨”の男の子を思い出してください
夜道を1人で運転している時、ダッシュボードの下から、あの顔がのぞくんじゃないかとヒヤヒヤしました

顔を赤くするのは、血まみれスプラッターを想像させる
そんな期待を外したらダメ
監督は安直に、戦士が戦闘開始する戦いをイメージさせたかったんでしょうが、ピントがズレまくってます

なんというか、この監督さん、プロデューサーの方が向いてるかもね
ちーちゃん自体のキャラクター設定はとてもいい
ラストの進化するホラーキャラクターはとても斬新ですから

主演の佐津川愛美は好きな女優さんな一人です
同年代にはきらびやかなスター女優がたくさんいる
それは仕方がない
持って生まれた容姿、才能は特別なギフトです
そんなオーラは無いですが
地味ながら堅実に他方面で活躍されています

まだ新人の頃、映画”電人ザボーガー”で巨人になった彼女は、シン・ウルトラマンの巨大化した長澤まさみにも勝るとも劣らないビジュアルでした

2年前には
セクハラを告発した主演作の監督自身が性加害者だったという笑えない話でお蔵入りになった
不運でしたが、その後もコンスタントに活躍されているのでよかった
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