観終わった後の、持って行き場のない感情に戸惑った、最初から最後まで救いようのない悲惨な作品です。
こういう現実が、今でも北朝鮮で起こっていることに、驚きと怒りを感じずにはいられない。
北朝鮮を扱った作品は数多くあるが、これは実際に脱北した100人近い人の話を聞いて作られたそうなので、かなり真実に近いのではないか。
撮影も秘密裏で進められたという。
出版物もテレビも他の国の物を見ることが出来ない。見つかれば逮捕され、強制収容所へ…
ある日、忽然と、隣の一家がいなくなるということも珍しくないと…
この作品のヨンス、ジュニ、ヨンハの一家も、妻のヨンハは妊娠中であるが、結核になり、食べる物もない。
結果、愛犬ペックを食べることに…
あまりにも衝撃だ。
こんな生活が想像出来るだろうか。
その後、父ヨンスは、食料と薬を求め脱北し、家族はバラバラになる。
もう、ヨンスとジュニが再び会うことが出来ますようにと、祈らずにはいられない。
しかし…
そして、この作品には、ジュニの友人であるミソンという少女も出て来る。
強制収容所に入れられたジュニとミソンは、食事もろくに与えられず、ミソンの肩にはデキモノが。
誰かが、デキモノにはネズミの皮が効くんだよ!と。
ジュニは、死骸に群がっていたネズミを捕まえ、ミソンの肩に皮を貼ってあげました… 治るはずないですよね。肩には大量のウジが… ミソンは死んでしまいます。
あ〜同じ人間なのに、生まれた国でこんなにも違いがあるのか。
私達は、こういう現実があることを知らなければいけません。
何も出来ないことが悲しく、腹立たしいです。