不乱苦

名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)の不乱苦のレビュー・感想・評価

5.0
年に一度のお楽しみ。展開は先が容易に読める。後には何も残らない。ご都合主義だしツッコミどころも満載だが、終始楽しく観ていられるんだから、これでいいのだ。「ゼロの執行人」以降の映画版しか観ていないので、わからないところも色々あったが、別にわからなくても大丈夫。
しかし、作りは全然甘っちょろくない。カット割りもカメラワークも凝っていて、非常によく考えられている。女性キャラがしゃがみ込む際に片手を膝裏に持ってきてスカートを押さえるカットなど、何気ない動きに演出のこだわりが垣間見える。画面内でセリフを話していないキャラが何をしているかが見どころでもあるのだ。
描き分けできていない癖の強い絵柄(「工藤新一とキッドが似てる」というのが今回一つのトピックだが、新一もキッドも平次も沖田も同じ顔だし、女性キャラは髪型以外で区別がつかない)、チビッコや推し目当ての女性たちのコンテンツというイメージにだまされずに観てほしい。日本で最も観られているアニメ映画シリーズを真面目に観る、ということには大きな学びがある。
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