これハマる人限られると思うけど、よく作ったな〜(興行的に)。この主人公、バブル世代以前や体育会系の大部分の人からしたら、まったく理解できない人種だろうと思うから。
内気で、空気読めず、お世辞や集団行動苦手。自分も職場の飲み会とか苦手なので、そこは共感。
表向きエクセルが得意(白黒思考)で、その実、妄想癖あり(グレー)っていう複雑なキャラクター。冒頭ソファーで書き物してたけど、何書いてたのかな?
原題の「死について考える」ですけど、個人的には希死念慮みたいなものとはちょっとずれてると思うかな。妄想に出てくる死に方?ビジュアルが芸術的すぎるんだよね。主人公の人との接し方の変化を「成長」とみるのもちょっと違う気がする。
いくらでも深刻になるテーマを、ハウス名作劇場風?なフォントや音楽のチョイスで軽やかな雰囲気にしたセンスが絶妙だと思います。
だから全然アメリカ映画っぽくない。
時間の長さもバッチリ。言い切ってる。
すごい。
以下ネタバレにならない程度に。定年退職の女性のエピソードがめちゃめちゃ効いてるなぁと。物語の転機ってこうやって作れるんだ、と感心しちゃいました。
途中、「うわ、こんなん思いつくなんて天才⁈」と思ったセリフがあったけど、忘れてしまってめちゃ後悔。
真上から撮ったり、口から上を写さなかったり、主人公の周辺をピンボケのままにしたりと、細かい撮影テクもたぶん、わかる人にはわかる演出なんだろうなぁ。