このレビューはネタバレを含みます
凄く良いシーンと違和感が凄いシーンと両極端。
高坂新左右衛門がテレビを見て大興奮しているシーンは良かった。
実は、かなり人間ドラマの割合が多い。
風見恭一郎が時代劇と侍の時代を遺したいと演説するシーンなど、何度か涙が溢れた。
気になる所は描写の粗さ。
タイムスリップして戸惑うシーンが全て不自然。
口は動いているが何も発していない。
魚が作り物。
全く同じ殺陣のシーンを目撃。
こう言う不思議な体験をしたのに、直後に受け入れている。
まだタイムスリップした事を認識していない段階でこれは無い。
その後、隣の撮影場所へ向かう際、車や現代的な建物を通って来たであろうシーンがある。
自分の時代に無かった物に戸惑う絶好のコメディチャンスをスルー。
タイムスリップに気付くまでが長い。
病院にも入院しているし、町を徘徊している。
ポスター1枚で気付く雑な展開。
現代人が昔の文書を見ても読めないのに、武士である新左右衛門が現代文を読めるとは思えない。
1番残念だったのは最後の真剣を使った殺陣。
睨み合いの緊迫感や鋭い剣捌きが素晴らしい。にも関わらず、急に映画上映のシーンを挟む。
後日譚として切り替えるなら分かる。
そのまま元に戻って続き。
ちょっと理解出来ないセンス。
折角の流れをぶった斬る悪手としか感じ無かった。
再開してからのシーンも良かっただけに。
コメディ作品となっているが、笑えるシーンは少ない。
笑わそうとしているシーンが多数あるが、笑うまでには至らない。
間延びしてまでコメディシーンを強調したり、演出やセンスが昭和のノリ。
風見恭一郎役の冨家ノリマサが抜群に良い。
最初は微妙って正直思ったけど、もらい泣きしちゃう涙目とニヤニヤした顔がホッコリする。
山本優子役の沙倉ゆうのも良かった。
メガネ好きでは無いので、メガネ無しで見てみたい。
