ようやく観てきた話題作。
それなりに面白かった。
ただ、世間では絶賛レビューばかりでちょっと褒められすぎな気も。
画面や録音等から醸し出される自主制作感(チープとは言いませんが)はご愛嬌だとして、ところどころ挟み込まれるギャグ演出がことごとくつまらなくて、それがすごくキツかった。
というか、つまらなすぎて少し怒りすら沸いてしまった。
とはいえ、主演の山口馬木也のダーティな佇まいが良くて、その魅力に牽引されてこのお話しに乗れた。
いわゆる「タイムスリップもの」の定石から少し外した展開が面白かったってのもある。
タイムスリップものであり、映画撮影ものあるいはお仕事もの、そして終わっていくものへのラブコールもの、という志向だけど、どれも中途半端に感じてしまった。
いやこれがコメディとして面白ければ気にならないかもしれないんだけど、リアリティ薄めコメディタッチで描きながらも笑えるはずのシーンが絶望的に寒いので、悪い意味で昔のテレビドラマのようなチープさを感じて仕方なかった。あ、チープって書いちゃった。
あとはまぁ、ヒロイン役の助監督・優子殿があんまり機能していなかったり、幕末の侍である主人公がタイムスリップを簡単に理解したり、唐突な時代劇への思い入れだったりが気になるところだった。
文句ばかりだけど、わりと面白かったことはたしかで、なんか可愛らしいし手作り感ある作品なので、応援したくなる気持ちはすごく分かる映画でした。