喪座利沢袖流

侍タイムスリッパーの喪座利沢袖流のネタバレレビュー・内容・結末

侍タイムスリッパー(2023年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

【侍魂を決して捨てず、時代に順応していく】

「面白い面白い!」と大評判だったので、ミーハー心で鑑賞。

●良かったところ。
〇侍の生き甲斐は平和な日本ではどこに…?
幸坂ら侍にとって、お上に従って命を賭けるのは生き甲斐だったし、国のためでもあった。
でも幸坂がタイムスリップした先は、ケーキが当たり前に食べられる平和で豊かな国。
本来の時代で守ろうとした社会が実現していることに涙する。
しかし、刀で斬り合い相手を殺す侍は、時代錯誤。そこで幸坂は、「斬られ役」として新たな人生を歩み出し、時代に合わせて変化してゆく。クレヨンしんちゃんの『アッパレ戦国』では、車についていけない武士が描かれていた。本作の侍は、時代に順応していく。
ところが、それでも侍としての魂を忘れていないため、真剣での撮影に挑むに至る……というストーリー。
ただ第二の人生を歩むだけじゃない、「タイムスリップモノ」の醍醐味が描かれていて、とても良かった。

〇キャストの熱演・名演が素晴らしい!
山口馬木也主演で、ライバル役に冨家規政とは渋すぎるキャスティング!
山口氏は「見たことあるのに名前がわからない俳優」筆頭だったけど、長編初主演の本作で氏の喜怒哀楽様々な演技を堪能できた。
井上肇と紅萬子はハマり役で本領発揮!

●イマイチだったところ。
〇監督が各メディアで変な持ち上げられ方されないかが心配……。



★見る前のハードル上げすぎたかな……と心配になりながら見たが、期待通りの良作だった!