幕末の世から現代へタイムスリップした侍の奮闘劇。
喜劇仕立てだが、要所では真剣勝負の本格派ドラマであり、とくに時代劇業界への深い愛が込められた熱い作品。
主人公は幕末からタイムスリップしてしまった会津藩士で剣術の達人。
時代劇セットの場に紛れ込んでしまった主人公は、なんか知らんうちに撮影に紛れ込んでしまう。このへんは喜劇。
その後、タイムスリップの事実を知るも、さほど悩むことなく現代に溶け込み、時代劇の斬られ役として生きていく主人公。
この主人公役の役者が素晴らしすぎる。現代人のフリをした侍という難しい役どころを好演している。これほど髷が似合う人いるのか、というほど役に入り込んでる。もはや、本当は侍だと錯覚するぐらいの演技。会津訛りとかも堂に入ってる。
殺陣に関しても、どっしり重心の低い立回り、ブレのない太刀筋など、達人として全く違和感なし。
また主人公の斬られ役の師匠がまた良い味出してる。これは本物の殺陣の役者の方ということだが、素で演じてるせいかドキュメンタリーを見ているようにリアル。
ヒロイン役の女優だけ、少しお芝居的な感性だが、これが逆に絶妙なバランスを保つに役立っている。
ライバル役の俳優も誰だか知らないけど、魂の演技を見せてるし、とにかく役者魂の詰まった素晴らしい作品でした。
