ななな

ラストマイルのなななのネタバレレビュー・内容・結末

ラストマイル(2024年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

もうずーっっっと公開を楽しみにしていた作品!
初日に観て、公式本とかパンフレットは見ずに自分が感じたことを残しておこうと言う気持ちで書きます→→→


ハラハラドキドキのサスペンス要素もしっかりありつつ、どう収束させるんだろう?と最後まで予想できないストーリーだった。
物語の伏線回収の仕方に野木さんのメッセージが込められてるな〜と思った。
人件費や本当に「お客さんのため」を思ってあるモノやコトを削って削って起きた事件の最悪の事態を、そういうことを大事にした商品と、人が防ぐっていう...
佐野はトラックの運送に誇りを持って仕事をしていたお父さんの姿をずっと見て、感じてたんだなって。

1番印象に残ってるのは、飛び降りてもレーンが止まらなかったのを見た彼のシーン
止めませんよ、絶対とエレナが言ってたことと対比されてる。
「みんな同じレーンの上にいる」ってセリフがあったけど、レーンの上にいる自分たちは止まれないと思ってる。たとえ自分や誰かが死ぬことになっても。
けど、止められないと思っているものを止めても本当はなんとかなるかもしれない
思うようにはいかなくても、止まってみたら変化は起こせるってことがあの止まった配送センターのがらんとしたレーンと、トラック配送の賃金交渉の結果に込められてるのかな

最後のシーンは初見だと消化しきれなかったな
「君の番が来たってこと」ってエレナに言われてロッカーの前であの文字をみる孔はなにを思ったんだろう
エレナはレーンから降りたけど、孔は?
孔は自分たち(映画を観た人)と重なってるのかな?「あなたはどうする?」って問いかけられた気持ちになった。ちょっと怖かった。
何度か観たり、公式ブックをみて考えを深めたいな

あとは主題歌「がらくた」が映画を観た後だと印象が変わるっていうのを事前になにかで見ていてそこも期待していたけど本当にそうだった!
みんな等しくがらくたで、どんなに偉いと思われている人でもそれは一緒で、それでもそばにいてよ、生きようよ。という映画のメッセージが込められたまさに『主題』歌だなと思った。
映画の中には二人組がたくさんある
そのどれもに当てはまる歌だなっておもう
一見すると植物状態になった男とその彼女をあらわしているようだけど、
タクシードライバーの佐野親子も
「誰も親父のこと大切にしてないよ」
「世間からはいらないと思われてしまった(倒産した)会社の息子」って描かれてたり
松本家の親子もお母さんが
「女としても、母親としても必要とされてない」っていってたり

今後もずっと壊れてるかも、なくしたものは戻らなかったり、そもそも探してたものなんてないのかも、だけどそばにいよう、お互いにとって大事なものを探して生きていようっていう野木さんがMIU404やアンナチュラルで伝えていた『生きてれば何度だって、勝つチャンスがある』というメッセージを感じました。
ななな

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