自分用メモ

トラペジウムの自分用メモのネタバレレビュー・内容・結末

トラペジウム(2024年製作の映画)
2.6

このレビューはネタバレを含みます

東の人間性の恐ろしさがちゃんと問題になっていくのも、巻き込まれたそれぞれがアイドル以外の道に進むのも満足だった。OPもオシャレでワクワクさせる映像で良かった。
以下不満点。
最初に他校の校名を蹴りつけたところで地に落ちた東の好感度が戻ることはなく、東が転落していくのを楽しみに観ることしかできなかった。感動的なラストにしたいなら、東の憎めない点を見せるべきだった。過去に北をいじめから助けたという話も、言葉だけでは感情移入できない。わかりやすい「実はいい奴」的表現を制作が嫌ったのかは知らないが、嫌な奴としてのクオリティは高いのにあとはアイドルになれるのも友達に好かれるのも、世界や展開の全てが舞台装置としか思えなかった。
他メンバーがアイドルになることをしぶる描写も欲しかった。華々しいアイドル人生からの転落…というように見せるには、全てのキャラクターの描写が圧倒的に足りていない。前半では東の夢に付き合わされるが特に不満もなく流されてくれる友達たちが、後半では急にそれぞれがしぶり始めておかしくなるのに違和感を抱く描写レベルの低さだった。キャラは舞台装置ではなく人間なのだという意識に欠けている。
サクサクとテンポ良くアイドルになれるのも、本人達の努力の過程がわからない。過程がわからないのにアイドルをやることの辛さを急に描かれても納得できない。
また、東が車椅子のボランティアを手段として見ているのは人間性としてわかるが、車椅子の少女を抜いた四人の写真を最後に大きく飾って感動を演出していた点に気持ち悪さを感じた。

歌が下手なキャラ付けをされていたキャラが一番歌が上手いのはそういうジョーク演出なのかと思わされた。そこが作中で一番面白かったシーンかもしれない。

東の問題点が作中である程度の落とし所を迎えた結果、作品全体の作りの荒さ、人間というものへの無理解さだけが残る作品だった。これならまだ東の問題点を無視した良い話として作った方が、逆に「全てがヤバい作品」として話のネタにできたかもしれない。
自分用メモ

自分用メモ