キングダムシリーズは私けっこう嫌いです。1作目は言うほど悪くないですが、2作目と3作目がかなり酷いです。ただ今回で完結するとのことなのでどんなふうに締めるのか気になって見に行きました。
正直、想像を絶するレベルで良かったです。全く期待はしてなかったですが、かなり満足させられました。
何よりも本作はヴィランがすごく良かったです。今までは何も知らない上に強くもない敵が多くてアクションシーンに見ごたえがありませんでした。でも、本作のメインヴィランである龐煖はちゃんと今作の主人公である王騎と因縁があるし、他のキャラクターは一切付け入る隙を見せないほどに強いし、ストーリーがずっと龐煖を中心に進んでいるので、カリスマ性があってすごく良かったです。
この映画彼が写っているシーンは全て好きです。ヴィジュアルもすごくカッコいいと思いますし、いきなり出て来たキャラクターですが、ずっと出ていた王騎とも一切引けを取らない魅力がありました。
アクションシーンも良かったです。ずっとアクションの中心にも龐煖がいましたが、視覚的にかっこいいですし基本1対1だったのでかなり画面がスッキリしていて良かったです。今までのキングダムシリーズは2作目以降雑魚戦がやたら多くて倒してもすっきりしないし、倒しても倒されても視覚的に数が変わらないので勝ってるのか負けてるのか全然わからなかったです。
しかし、本作は龐煖が超強くてそれをどうやって倒すかみたいな話だったので、どっちが勝ってるのか視覚的にわかりやすかったと思います。
とはいえ、龐煖が出てないシーンはけっこう微妙だなと思うことが多かったです。例えば、敵が強すぎるので逃げなきゃみたいなシーンがあるのですが、そこでも追ってくるのはモブみたいなやつですし、そのストーリーラインも特に山場もなく退屈でした。
あと馬に乗ってるシーンがけっこう嫌いでした。撮影で意図的に馬を映さないようにしてて、すごく作為的なカットだなと思いました。すごく見てて気持ちが離れました。
馬に目をつむれば撮影もいいなぁと思うカットが何か所かありましたし、正直前2作と全然クオリティが違うので、同じ監督が撮った映画とは思えないレベルで良かったです。この映画には満足しましたが、良くなったところで終わってしまって少し残念です。