劇場2024ー92 95 熊P
おかわり鑑賞(^^)
A24作品。
ほほぉ、A24は最近シフトを一段上げてきたとお見受けする。作品の幅が広がったような気がするのは私だけではないはず。
ウクライナ侵攻の長期化のみならず、イスラエル,パレスチナが拡大してレバノン、イランなどにも戦火が広がる今日に、これは観て何か少しでも考え、行動できるようにしたい。The Civil War開戦の日に全米公開されたそうです。
さて本作、タイトル『シビルウォー(=内戦)』
19州が連邦離脱。そしてブルーステーツのカリフォルニアとレッドステーツのテキサス同盟が西部勢力=WF(組むかフツー?)として東へ進軍、政府軍と内戦状態となる。3期目?の大統領は権威主義的であり、強気な大本営的メッセージ放送はするものの、インタビューには14ヶ月も応えていない。民主主義国家でこんなこともあり得ない。
そこでリー、ジョエル、サミーそして若きカメラウーマン・ジェシーは独占インタビューを目論み、DCを目指す、、、
あらすじは↑というもの。
本作、シレっと始まるのだが、どうしてこういう戦争になったのか?大統領は何故インタビューに応じていないのか?他の州はどうなっているのか?などなどが明確にされていない。『ドーンオブザデッド』や『クワイエットプレイス①』みたいに、観るものに想像させるのもオツなもんだね。
その中身たるや
空想だが戦争映画というジャンルでもあり、
報道ドキュメンタリー「風」のジャンルものであり、
分断をテーマとしたポリティカルサスペンスが全編通じてあり、
そしてロードムービーであり、
さらにサイコホラーであり、
もう一つの本筋、若き戦場カメラウーマンの成長譚でもあり
様々な要素を盛り込んだ全てが主役のフルコース的贅沢な仕上がり。
その戦闘シーンは本作の本質であるドキュメンタリー風。本当に戦場カメラマンはあのように動き、写真を撮り、記録するんだ、、、記録の大切さはよーーくわかるつもりだが、もちろん命懸けであり、そしてあの軍人たちのフォローも大切なんだろうなぁ、、、などの雑感が湧く。
その上での激しい銃撃、攻防戦!緊迫感は素晴らしい演出。かなりの長回しで目まぐるしく繰り広げられる。
ロードムービーパートについては、このDCへ向かう4人の取り合わせというか、組み合わせというかが絶妙。あたかもドラクエなどのロールプレイイングゲームのパーティのよう。勇者に剣士、知恵を司る魔法使いに、主人公の若者(^^)か!ホッとするパートでもあり、危険に近づく時の緊迫感もいい感じ。
途中同道したアジア人のあいつら、、、
サイコホラーパートは、予告にも出てたあの赤サングラス!(ジェシー・プレモンスか?やっぱり!こんな短期間で彼の演技を見るとは思わず油断していた(°▽°)『憐れみの3章』とは全く違う名演というか胸糞演技!さすが!)
それまでもゴアと言ってもいいくらいの銃創からの出血、、、酷かったが、赤サングラスのパートは『アマデウス』や『戦場のピアニスト』くらいの壮絶さ、、、
しかもあの赤サングラスらは極悪非道!そしてあれはホラーだ!いったい奴らは何をやっていたのだろうか?想像が膨らむ。
もう無茶苦茶だわ、、、戦争が人を狂わせる。あれはアジア人としてやはり胸糞!
一方、あのカームベルトとでも言おうか、あの街!あの店員!関心を持たず中立を装う?
そしてジェシーの父親もそうなのか?
これは今、我々が置かれている状況、事態を頬杖つきながら批判表現している。
とはいえ、あの街ですら、、、
そしてそして、本作の中心線と言っても良いだろうジェシーの成長譚。このパートがあるからまだ希望が残る。本作の唯一(^^)の良心といえよう。立派な戦場カメラウーマンになったもんだ、皮肉です(°▽°)
キルスティン・ダンストやはり名優!
ジェシー・プレモンスもやはり名優!「どの種類のアメリカ人だ?」分断の"今"を現す名セリフ。引き金にかけたり外したりする指の動きだけでその場を支配する、、、
怖っ!怖すぎる!
あ、ケイリー・スピーニーってエイリアンに出てた人だったのね、、、
総じて言えば.
やはりA24!スタジオ史上最大製作費をかけての、しっかり作り込まれたホラー味溢れるサスペンス!スリラーでありました。
ラストは忠臣蔵吉良邸討ち入りみたいだった。
成長?し、覚悟を決めたジェシーは撮りまくる、一方撮れなくなったリー、、、
写真を撮ることは「こんなことやめて!」と思い撮ってきたのに、、、