このレビューはネタバレを含みます
アメリカの怒りを感じる映画
フィルマークスでとある方のレビューを拝見し、視聴することを決定した。
アメリカ国内で西側勢力と政府軍とがぶつかり合い内戦へと発展していく。
そんな中ベテラン記者のリー、ジョエル、サミーの3名と新米記者のジェシーが、敗北寸前の大統領への取材を求めてホワイトハウスへ向かうストーリー。
道中に様々な町や戦場を渡り歩くことになり、そこで新人記者ジェシーは生々しい光景をいくつも目の当たりにしていくのだ。
明確に何故内戦が始まったのかが語られる事はないが、本作からアメリカの方々の激しい怒りを感じることができた。
どれ程の政治不信が溜まれば、自国のトップたる大統領を虫ケラのように殺害し、笑顔で集合写真を撮るような状況になるのだろう。
「何か一言ありますか?」
「私を殺させるな!」
「それが聞けて十分だ!」
バァーン!! 震えたね。
日本とて対岸の火事ではない。
昨今の政治不信は行き過ぎればこう言った暴動や戦争といった形となって現れるのだろう。
また、ホラーゾンビ映画のような街並みで同じ国の人間同士が殺戮を行う不気味さが非常に気持ちが悪い。
また、本作でかなり印象的なサングラスの兵士のシーン。
アメリカ人かどうかを確認し、別人種の者は容赦なく殺害する。
移民問題や人種問題を多く抱えるアメリカだからこそあのシーンは印象的に残る。
できるだけ良い環境で本作を視聴せよと言われたのだが、その意味がよく分かった。
本作の映像体験は劇場で観ることで完成するように作られている。
銃声が響くたびに体が自然と飛び上がってしまう感覚は久しぶりに感じた。
下手なホラー作品なんか目ではない程の恐怖体験だった。