かすとり体力

シビル・ウォー アメリカ最後の日のかすとり体力のレビュー・感想・評価

3.9
「アメリカが2大勢力に分断され内戦が勃発!」的なあらすじから、大味な戦争アクション大作映画みたいなんかと思っていたら、
超ドライでシリアスな作品で超絶面白かった。。

まず素晴らしいのが、大げさな演出を一切排除したすんげえ透徹した視点で作品全編が描かれていること。

これによって過度な物語性が排斥された結果、戦争の描写がちゃんと怖ぇ。。
この描き方、ジャーナリストを主人公に据えていることとしっかり整合していて超Cool。

うん、やっぱ改めて思ったけど、事前に抱いた印象と最も異なるところは、この「ちゃんと怖ぇ」ってところかもですね。

どのシーンも基本ヒリヒリしてて怖いんだけれど、本作において誰もが最も印象に残るシーンであろう、ジェシー・プレモンスが登場するシークエンスの恐怖たるや・・・。
ド肝抜かれますです。

また、恐怖描写とミスマッチな明るい音楽を流す演出も非常に良かったです。
「違和感由来の恐怖」を増幅させる効果がありますなこれ。

物語としては「地獄のロードムービー」的な展開を見せ、行く先々で色んなパターンの内戦の恐怖が描かれるお化け屋敷映画でもあり、全く退屈させないところも強い。

一点、ラストシーンには「それって道義的にどうなの?」と違和感を持ったが、よくよく考えると別に主人公たちを「善側」の人間として描いているわけでもないので、それはそれで納得。

ってか、気づいてなかったけど本作の監督、超好みだった『MEN 同じ顔の男たち』と同監督なのね・・・。

そりゃこんな仕上がりになりますわな・・・。
お気に入りの監督が出来て良かったです。
かすとり体力

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