佐藤克巳

美しき隣人の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

美しき隣人(1940年製作の映画)
4.0
満州開拓団を描いた同年「大日向村」より遥かに優れた大庭秀雄監督の、瑞々しい映像感覚と慈愛に満ちた恋愛映画の秀作である。東京のBG妹水戸光子が、兄笠智衆出征で実家が母飯田蝶子一人になるのを理由に退職し、山深い故郷に帰ると、隣人の幼馴染次男坊高倉彰が軍馬の調教を指導してくれ、妹大塚君代は仲の良い相談相手で平穏な日々を送っていた。高倉の満州行きが進展し、水戸は兄が帰還するなり追い掛ける約束だった。やがて笠が負傷兵となり東京の病院に入院した連絡を受け、水戸と飯田は縁あって迎えに来た元会社の同僚広瀬徹に同行して上京中、高倉の満州行きが早まって、水戸は当日の壮行会、列車に間に合わず、大塚から別れの手紙を受け取る。後日、兄が帰還してお土産に高倉からの手紙を読み上げると、水戸は満州行きを涙ながらに決意する。
佐藤克巳

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