Kz氏

水深ゼロメートルからのKz氏のレビュー・感想・評価

水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)
3.5
原作者・脚本の中田夢花さんとお会いしている。「水深ゼロメートルから」は、日本演劇教育連盟「子どもが上演する劇脚本募集」2021年準入選作で、表彰式をオンラインの全劇研内で行なった。2019年四国ブロック高校演劇大会最優秀賞作の脚本でもある。
2020年の「アルプススタンドのはしの方」がスマッシュヒットだったので、高校演劇映画化シリーズが企図されているらしい。兵庫県立東播磨高校演劇部の2017年全国大会最優秀賞の顧問の先生の脚本は、プロがリライトしているが、本作は中田さん自身のシナリオ。リライトに批判があったのか、「アルプススタンドのはしの方」の脚本家主宰劇団がパワハラで解散したためかは知らないが。

グランドから飛んできた砂がたまったプールを夏休みの「補習」で掃除する女子高生の話。「女」になる前夜の、男性にはちょっと生々しい会話劇で、生理がガジェツトに使われていたりする。
阿波踊りの男踊りに挑戦し続ける子がいたり、選んでもらって護ってもらうためにメイクに精を出す子がいたり、野球が大好きだけど選手になれないのでマネージャーに甘んじている子がいたりする。けれど、男ばかりの野球部は練習でプールに砂が溜まることを意識さえしていない。という、何だかもの悲しくなるジェンダーの話。

イオンシネマ系列のみで朝夜2回ひっそりと公開。けれど、安倍政権を撃ってNetflixオリジナルドラマにもなった、藤井道人監督「新聞記者」も、2019年公開当初はイオン系列だけだったと記憶している。
Kz氏

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