MotelCalifornia

水深ゼロメートルからのMotelCaliforniaのレビュー・感想・評価

水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)
3.6
んー、期待しすぎてたかな。。
山下敦弘監督の青春モノということで現代の『リンダリンダリンダ』みたいなキラキラした映画を想像してたけど、もともとの高校演劇のワンシチュエーションものの枠からは逸脱しない作りで(脚本家も、当時高校生で戯曲を書いた方が映画版の脚本のリライトも担当されている)、所謂“舞台っぽい”台詞のやり取りが、自分には合わなかった。水のないプールに集まった4人の女子高生たちの会話でだる〜んと話が進む。とくに序盤から中盤にかけては間延びしてるなあ…と集中力を欠くほど。
後半、さとうほなみ演ずる先生とのやりとりで、大人も辛いんじゃー!が爆発するくだりはドライブしてる感じがして、良かったが(さとうの芝居のおかげ?)、旧来の“女”のロールを内面化したココロのキャラがなんだか薄っぺらく、他の子も含め、女の子たち同士のやりとりもなんだか噛み合わない感じで話に乗り切れないなぁ〜…と思うまま、終盤に突入。

ラスト!
急に天候が変わってからのミクのショットがめっちゃくちゃ良くて涙が滲んだ。理由はわからないけど、彼女の中の衝動を感じたからかもしれない。
それこそ、舞台ではなかなか表現し得ない、とても映画的な美しいシーンだった。

ラストの煌めきだけで、だいぶ点数を嵩増ししました。やっぱ、山下監督、すげ〜!と思いながら映画館を出た。
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