コマミー

ストップ・メイキング・センス 4Kレストアのコマミーのレビュー・感想・評価

4.1
【身を委ねて、躍動する】



いやぁ〜。"伝説のライブ"映像、"IMAX"で体感させてもらった。

今から約40年前。"デヴィッド・バーン"率いる"トーキング・ヘッズ"が伝説となるライブを開催させた。その模様を、後に「羊たちの沈黙」を作る事になる"ジョナサン・デミ"監督が映像に収め、公開された。ソフトが手に入らないため観れてはなかったが(配信では確か有料で見れた)、3年くらい前に公開されたスパイク・リーが収めた「アメリカン・ユートピア」を見て、私は一気にデヴィッド・バーンや彼が率いていたトーキング・ヘッズに惚れ惚れしてしまった。

「アメリカン・ユートピア」でも言える事だが、トーキング・ヘッズとしてバリバリに活躍していた頃も、舞台に登っている者もその裏で働いているスタッフも、そしてそれを見つめる観客も一体となってまるで"脳を侵食されてるか"のような一体感を醸し出していて"本当に面白い光景のライブ"だなと思った。勿論、どのアーティストも一体感のあるライブをそれぞれ作り出してはいると思うのだが、どうもこのデヴィッドのライブだけ雰囲気が違くて一生見てられるのである。
そして"4k版"に進化し、IMAX上映の甲斐あってか、薄暗い空間に照らされた白熱照明をかざして映る人影や煌びやかな汗、そして細かな音まで"繊細に映し出されたもの"になっており、私は「ああ…これは劇場で皆見てもらわないとダメだ」と感じさせてしまった。

そしてトーキング・ヘッズの"かなりブラックユーモア"の効いた独特な雰囲気の曲たちに乗せて、デヴィッド・バーンが"やりたい放題"やってる姿は見ていて面白すぎたし、あと、私は本作でトーキング・ヘッズには"ドラム担当のクリス"と"ベース担当のティナ"が独立した「トム・トム・クラブ」がある事を知った。この「トム・トム・クラブ」のパフォーマンスも面白くて、ティナが"蟹ダンス"を踊っている姿は純粋に可愛かった。
デヴィッドが着ていた"ダボダボスーツ"もこの目で拝めて嬉しい。

"A24"と監修に携わった人達に心から賛辞を贈りたいほど最高な映像と音楽体験を味わせてもらった。できれば皆さんには、本作を通常版ではなく、このIMAX上映で本作を楽しんでいただきたいなと心から思う。近くにその映画館がなければ、音響にめちゃくちゃ拘っている映画館を選んで、音だけでも最高な体験を味わってほしい。

古さを感じさせない、トーキング・ヘッズの"饗宴"を楽しんでもらいたいです。


できれば、題名通り、"考えず、ただ身を委ねて"…ね?
コマミー

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