ハシゴダカ

ストップ・メイキング・センス 4Kレストアのハシゴダカのレビュー・感想・評価

4.1
トーキング・ヘッズは好きなバンドのひとつだけど、そんなに掘り下げておらず、なんとなくニューウェーブが出自でアフリカンミュージックに影響を受けたカッチョイイ曲を作るバンド、くらいの認識。
もっと若い頃にハマっていればもっと深掘りしたのかもしれない。
そう考えると若い頃に色々な経験をすることはホントに大事なのだなぁ、と。

そんな、大人になってから好きになったバンド、トーキング・ヘッズのライブ映画。気になってはいたけど未見。

この度4Kレストア版公開ということで、それは観ますよね。A24、ホント偉い。
(以前『アメリカン・ユートピア』のBlu-rayは買ったけど、本作を観てから手を出そうと思っておりまだ積ん読状態)

完全に初見なので、もうバンドのライブを普通に堪能。

少しづつ「担当楽器ごと」メンバーが増えていく演出、カッコいいなぁ。
よくライブで、ドラムセットやキーボードが既にステージ上にある時に、まずボーカルだけが出てきて、後でメンバーが入ってくるのが、なんかダサいなぁとずっと思っていたので、この演出はすごく好き。

白髪になってからしか知らないデヴィッド・バーンの脂の乗りまくった頃のパフォーマンス。体力ありすぎるインテリ、最強だし最凶かもしれない。

いわゆるファンクほどこってりはしていないんだけど、音を詰め込み過ぎず隙間でグルーヴを出し、ループすることで高まる高揚感。
音の配置が「線」ではなく「点」の考え方。これってファンク。いやとにかくすげぇカッコいい…。
グルーヴのキモであるベースのティナ、なんかすごいかわいいんですが…。

映像と音質のクリアさ、ライブの強度に、1984年の作品であることを忘れてしまった。
監督であるジョナサン・デミのテクニックが実はそこかしこにあるんだろうけど、そんなことは全く気にもせずひたすら楽しんでしまった。
これはスタンディングで観たくなるわ!
ハシゴダカ

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