このレビューはネタバレを含みます
原作者が「十二人の怒れる男」が大好きなのは想像に難くない。で、自分もこんな作品を作りたいと思っていたら…。
まず裁判所を舞台にしたら「十二人の怒れる男」そのまま。また日本の裁判員制度では、「十二人の怒れる男」みたいな結末には絶対ならない。で、舞台を就職活動に変えた。すると当然、色々なところで無理が出る。例えば「犯人の動機が今一つ弱い」とか。
でも原作者にとって、実はそういうことは重要ではないのかもしれない。そういった批判を敢えて承知で「十二人の怒れる男」っぽい作品を作りたかったのかなと思う。
「十二人の怒れる男」、日本では作るのが難しいかもしれない。そんなことをこの作品と「十二人の死にたい子供たち」を観て思った。監督や役者の技量よりも、日本社会そのものに理由があるのではと思う。