みちゃまる

ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスターのみちゃまるのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

母と離れたくない子どものように、ピアノを離さないエイダ。ピアノは彼女の声であり、そして母のように彼女の人生に寄り添ってきた。彼女が大切にしたいと思える存在に出会えた時、母の元を離れ新しい人生を歩んでいく。そして夜は遠く離れた母のことを想う。エイダは言葉を発することはないけど、その瞳に湛えた芯の強さはスチュアートもたじろいでしまうほど。
ベインズはきちんとピアノの調律をしてくれたのに対して、スチュアートは海辺に置き去りにしたし、「家族なら犠牲も我慢しろ」的なことを言っていた。家族同然のピアノに対する扱い方などを見て、それを自分や娘に対する行動と見なして惹かれていったのかな。まぁ、ベインズがエイダにしたこともどうかとは思ったし、あんなことをされても惹かれたのにはちょっと理解できない部分はあったといえばあったけど…。
映像美もさることながら、哀愁漂うエイダの奏でる旋律、音楽が素晴らしかった。海辺での演奏シーンは絵画のよう。
娘のフロラの父親についてや、鍵盤にあったA&Dの文字の意味などは原作にあるようなので、是非読んでみたいところ。静かながらも激しく、そして美しい物語でした。
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