本日の一本。
歴代最高作画の豪華なアニメーションにゲーム原作ならではの華やかなBGMを使用せず静かな音楽を使うことでレースシーンの臨場感を最大限に押し出している。のっけからのフジキセキが走る弥生賞から最後のジャパンカップまで原作のスキル演出を使いながら極上の演出を存分に堪能できる。
ストーリーも「シーズン2」に及ばずとも映画として丁度いい塩梅でジャングルポケットとアグネスタキオンの２バにしっかりとフォーカス。互いが互いの自分自身に立ち向かうアツいストーリーは今作でも健在。ただし思ったよりダンツフレームとマンハッタンカフェの2バはちょっと出番が少なかったのはマイナスか。フジとオペラオーにキャラの存在感が食われてしまっていた。とはいえここは史実ベースがなので致し方ないが。後は臨場感を前面に出してレースの迫力をパワーアップさせた分彼女達のこれまでの絶叫演技が陳腐になっているかなとも感じる。ギャーギャー叫ばずリアルよりの映像美に適う演技が欲しかった。
ウマ娘というコンテンツを追いかけ続けたファンにとって大満足の一本。「シーズン3」で失速した感が否めなかった作品にとって新たなベンチマークになる一作。寧ろウマ娘はその話作り的に劇場版（或いはRTTT）のようなTVアニメ以外の媒体に向いていることが改めて浮き彫りになった。是非今後も観客をワクワクさせる作品に期待したい。（JCのシーンの演出にはジーンとしたが隣のオジサンがグズグズと泣いていて涙腺が引っ込んでしまった。物語に引き込まれていて大変羨ましい）
