原典であるゲーム、またアニメも全く知らずに知人の薦めだけで鑑賞してみた。
競走馬の擬人化作品、くらいの知識しかなかったが思った以上にストイックなスポーツもので、鳥肌ポイントもあって楽しめた。
主人公はジャングルポケットだが、ライバルのアグネスタキオンもまた、もう一人の主人公。別次元の強さを持つ強敵であり冷徹さでポッケを翻弄しながら、やはり本能的に「ウマ娘」な彼女の変化こそがメインテーマのドラマだった。
良いな、と思ったのはレースに勝って栄冠を手にすることが「大きな実り」として描かれていないこと。競技者にとって、好きで、やりたくて始めたことにとって他人の評価は副産物でしかないことが強調されているのが良かった。
ポッケはタキオンが居なくなった後、優勝カップを手にしながら心の迷宮に迷い込んでいく。そこにスポーツのリアルがあり、始めるキッカケになった先輩の「変わらなさ」によって奮い立つ、これは王道ながら胸が熱くなった。
意識されていると思うが、レースシーンのスピード感は一級品だった。ウマ娘たちの走る姿は人間のランではなく、馬の走りを思わせる。思えばわずか2分のレースに人生がかかるのだから、競馬とはなんと壮絶な世界なのかと思い知る。ただグラウンドを周りゴールに向かって走るだけの競技にどれだけの感情が畝っているのか。その醍醐味を味わえたのは有意義だった。
あ、個人的にはフジキセキがイチオシです。
カッコいい。
あとなんか凄いんだろうけど最後だけ帝王ムーブかましてたテイエムオペラオーはちょっとシュール。あと最後だけアイドルになっていたのは何故でしょう(笑)。4人組になってたけど、ポケタキとあとの二人は名前も覚えられませんでした。
全体的にスピーディーで、100分間走り続けているような清々しい作品でした。
「先に行ってるぜ」