【ウディ・アレンを観よウディ!】
これ、1998年当時に観ていたら、その良さに気付けなかった筈。きっとディカプリオ目当てで観て、「ちょっとしか出番ないやん!!」って憤慨しただろう。
でも、ウディ・アレンの作品を少なからず観てきて、その勘所が掴めているのか、世間の評判とは裏腹に個人的には十分面白かった。
ライターであるリー(ケネス・ブラナー)は、同窓会に集まった、くたびれた同級生達を見回し、人生に焦りを感じ、妻であるロビン(ジュディ・デイヴィス)と離婚。自由になったリーは、セレブに囲まれ、悠々自適な生活に身を投じ、ロビンは精神疾患を患ってしまう。
ベートーヴェンの「運命」が流れ、
飛行機雲で浮かび上がるHELPの文字。
映画撮影のワンシーンを切り出した冒頭のシーンから、ワクワクしちゃう。
後述するが、これでもかという程の豪華キャストを揃えた、群像劇的なテイストもありながら、この作品はリーとロビンという一組の男女をシニカルに描いていて、演じるケネス・ブラナーと、ジュディ・デイヴィスが抜群に上手い。
公園での一悶着。男と女の修羅場である、離婚話に発展した夫婦喧嘩が素晴らし過ぎる!!こんなシーンを褒め千切るなんて、我ながらどうかしているが、ジュディ・デイヴィスのヒステリックぶりが神がかっている。
ジュディ・デイヴィスって、あまり見てこなかった方だけど、バナナで、アレの練習を嘔吐(えず)きながら頑張る姿には、女優魂を見た!!
ウィノナ・ライダー
ファムケ・ヤンセン
メラニー・グリフィス
アリソン・ジャネイ
J・K・シモンズ
サム・ロックウェル
おまけにドナルド・トランプ
豪華キャストの宝石箱や〜!!
その中で特筆すべきは、やはりレオナルド・ディカプリオとシャリーズ・セロン。
レオ様はお得意のキレ演技を炸裂!!
若かりしシャリ姐は、美し過ぎて眼鏡が浮くわ!!
ウディなりの拘りで白黒なんだろうけど、せっかくならカラー版が観たい。
リーは、自由気ままに暮しているかに見えて、セレブ達の喧騒に巻き込まれ、不幸に不幸が重なり(自業自得だが)、ロビンは、予期せぬ恋人と仕事のチャンスに恵まれ、運気がグングン上昇。
男女の幸と不幸の上がり下がりを描かせたら右に出る者はいないんじゃないの?ウディよ。