真魚八重子

ザ・タワーの真魚八重子のネタバレレビュー・内容・結末

ザ・タワー(2022年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

フランスの団地映画の1本。移民や有色人種が多く、縄張り争いが絶えない。
そんな中で、ある日団地の外が真っ暗になる現象が起こる。窓の外へ物を投げても地面に落ちる音はせず、暗闇に倒れこんだ者は、暗闇部分で切断された状態になった。テレビも携帯も通じない。他の建物がどうなっているかもわからない。完全に閉じ込められた状態だ。

『ミスト』や『ピンク・クラウド』のような路線の、ある場所に閉じ込められた不特定多数の人間の不条理ホラー。食べ物はなくなっていくので、犬は繁殖させて肉として食べる。たぶん赤ん坊も食べている。

人種ごとの争いが濃厚に漂ってはいるが、抗争は起こらない。起こしたところでどうしようもないとわかっているから、最初から階を分けて互いに争いを避けて暮らしている。同じような状況設定でも、問題点となるのはかなり違うなと思う。『ミスト』は宗教や未来を信じることだったし、『ピンク・クラウド』は孤独がテーマだった。

わたしなら早々に生き残ることを諦めると思う。
真魚八重子

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