真魚八重子

殺人鬼の存在証明の真魚八重子のネタバレレビュー・内容・結末

殺人鬼の存在証明(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

こういうストーリーの映画は全然観たことがない。A級の珍作というか、非常に捻りが効いていて面白いけれど、展開が風変わり。珍奇といってもいいレベル。現在と数年前を往来するうえに、途中まで説明のないキャラがいるので、一度で理解するのは難しい。

ロシアで連続殺人事件が起こる。担当刑事のイッサはとにかく犯人を挙げろと上から圧をかけられる。現場で証拠映像の撮影を担当する若い刑事は、証拠を重視する現代的なイッサを尊敬する。イッサたちは犯人像を分析するため、心理分析医を訪ねた際、不思議な患者の話を聞く。
しかしロシアというお国柄、イッサも上からの脅しで犯人を見繕ってしまう。若い刑事は失望し、組織を辞職し自主的に捜査を始める。

みんな自分勝手。犯人に限らず、刑事やその家族にもヘンなキャラクターが多い。チカチーロが重要モデルなのは確かだが、醜聞が外に漏れるのを嫌うだろうから、きっと外国には知られていない猟奇殺人鬼は大勢いるんだろうなと思う。靴だけはいて、あとは全裸の少年の遺体が木に吊るされている連続殺人事件とか、実話だったらヤバいなと思った。

ラストも正義を果たす人の決意にぐったりする。
真魚八重子

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