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殺人鬼の存在証明のBremingerのレビュー・感想・評価

殺人鬼の存在証明(2021年製作の映画)
3.4
殺人鬼とタイトルに入ってるだけで観に行きたくなってしまう性分なので、今作も人混みをかき分けながらなんとか着席。 
                                1981年から1991年の時代背景を行ったり来たりしながら殺人鬼の正体を追い詰めていくといった感じの物語なんですが、序盤は結構こんがらがりました。 
少し見せて時代をさかのぼって、少し見せて時代が進んでの繰り返しなので、その複雑さは映画館向けなんですが、それにしても凝っていて頭フル回転でした。   

殺人鬼の特別な体質がこれまた事件をややこしくさせているのも今作の特徴で、そりゃさじを投げたくなるわなという展開の連続で、観てるこちらも同じように疲弊してしまいました。

警察サイドの操作方法はかなり強引で、拷問、暴力、唾の掛け合いなんでもござれの無法っぷりには引きましたが、少し前だったらこういうのも当たり前だったんだなという知識に置き換えることができました。 
場当たり的な操作が多いので、もっとスマートだったら映画的には面白くなったのかななんて思ったりもしています。 

序盤から中盤までに敷いていた伏線をちょこちょこ回収しつつ、なぜこいつが真犯人だったのか、その理由はこうだ!という種明かしをじっくり見せてくれる不思議さがちょっとクセになりました。 
終盤は畳みかけるように解決へ向っていくので、頭もほぐれてある程度樂に観れました(描写はエグイものが多いですが)。

全体的に思考を止めたら振り落とされる感じの作品だったので、観終わった後はかなりの疲労感に襲われましたが、こういう映画体験も面白いなという経験に活かすことにします。 
モデル元の著書や動画なんかも見漁って教養を深めようと思います。
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