テオアンゲロプロス......
この監督の力量は半端じゃない。
今まで観てきた映画(テオの他作も含め)で此れ程までにクオリティの高い映画は見た事ない。
映画に限界はない。無限だという事を気づかせてくれる。
「好き嫌い関係なく今まで一番凄いと思った映画は何ですか?」と聞かれたら間違いなく「間違いなく旅芸人の記録でしょう」と答える。
約四時間。作風からして少し退屈するもののワンシーンワンシーンがとても素晴らしく濃いもので全く辛くない。
本作はギリシャ神話ベースの1940〜50年の政治的背景を旅芸人の一座の視点から描いたというもの。
正直言うとなかなか難しかった。テオ作品は言葉であまり語らないから、大まかな出来事をある程度予習してから挑んだほうが賢明ですね。
本作は心を惹かれるカットが多いんですよ!
雪山を歌を歌いながら登ったり、山と曇天に包まれた古びた街並みを通ったり、これはもうファンタジー映画ですよ。
神々しい雰囲気を醸し出す景観は観るものを圧倒させます。
「曇天」と「雪」
テオアンゲロプロス作品はこの条件が揃う時しか撮影できないんだろうな。
苦労症だなぁ.......
是非この完璧主義者による完璧な映画をご覧ください。