genarowlands

デ ジャ ヴュ デジタルリマスター版のgenarowlandsのレビュー・感想・評価

4.1
初のダニエル・シュミット。ミステリーとしてもおもしろかった。歴史に残らないが、圧政や横暴に抵抗し権力者を葬り、社会を変えた無名の英雄が数多くいるのだろう。ある記者が、人類学者にその暗殺者の謎解きを託され、時空を超え、中世の争乱の物語に飲み込まれていく。

先の見えない緊張感ある展開で、映像も静かに恐怖感を煽る。スイスの山道は明るいアルプスのイメージしかなかったんだけど、「ノスフェラトウ」を思い出し、まるでドラキュラ伯爵の古城を訪ねるかのようだった。

中世のいわばパルチザンであった独裁者にどこか魅せられていく記者。記者を中世に誘うのは偶然か罠か、女性たちだった。妄想なのか、不安に襲われ、狂気との境まで近づいていく。どんどん中世の争乱に巻き込まれていく。

以下、この暗殺された人物は誰なの?と鑑賞後に調べたら、

ペストが流行った時代、宗教戦争に挟まれ、牧師から軍人となり、スイスの一地方の独立の指導者となり、果てには残忍な独裁者となった実在の人物イェナッチュ(原題)。その独裁者を暗殺した人物は不明。なぜ犯人は見つからなかったのか。ミステリーとして、様々な解釈がなされているそう。
genarowlands

genarowlands