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季節のはざまで デジタルリマスター版のgenarowlandsのレビュー・感想・評価

4.0
ダニエル・シュミットの半自伝的作品で、ホテルの支配人であった祖父母と過ごした子供時代の美しい思い出をノスタルジーたっぷりに描いている。ベルイマンの「ファニーとアレクサンデル」を思い出す。

華やかなステージの世界に目を輝かせ、世界中からのお客さんの珍しい話に耳を傾け、祖父母のホスピタリティーとマネジメント、この経験で美しいもの、楽しいこと、喜ばせること、エンターテイメントの基を吸収していったんだろうな。

専属デュオの歌手役はファスビンダーの奥さんで、歌も心地よくとても魅力的だった。最近どこかで…と思ったら、ユスターシュの母親役で「ぼくの小さな恋人たち」で出会ってた。華のある美しい女性。

ホテルのおもしろいエピソードが中心で、両親が亡くなった孤独な少年の心の内はあまり描かれていないのだけれど、従業員はじめ祖父母、親戚に愛され、山の中のホテルで想像力をいっぱい膨らませて、まだ見ぬ世界に心ときめかせていていた。子役がすごく可愛い。どこかで出会っている気がしたが、この作品しか出ていない。


この先、少年はどう成長していったのだろう。

原題は少年の気持ちを表した「オフシーズン」のままでもいい。
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