さよこ

エア・ロック 海底緊急避難所のさよこのレビュー・感想・評価

3.9
【最期に何を選択し、何を決断するのか🦈】
飛行機とサメの組み合わせが良さげで鑑賞✌

🦈全体の感想
サメの登場は最小限に抑えて、姿が見えないことで却って恐怖心を煽り、グロ描写は控えめ。どちらかというと人生への気付きみたいなものが描かれていて、わりと好みの脚本だった。良かった。

🦈嫌な奴
パニック映画にお決まりの"嫌な奴"が、人を不快にさせる天才でやばかった。なんで主人公はこんなヤツと友だちなんだろ。彼氏の友人だとしても距離置きたいタイプ。凄腕ボディガードへのダル絡みは早々に切り上げるあたり自分より弱い立場の人にしか強く出れないモラハラ野郎に思える。すごい嫌な奴だったから、いつサメに殺られるんだろってわくわくしながら観てた。

🦈最期の日
海のなかに取り残されるのは無念でしかないけど、最期の瞬間を大切な人に看取られたり、一緒の場所で眠りにつくのは、ある意味幸せな最期なのかもしれない。

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⚠️この先、ネタバレあります⚠️
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🦈空港での伏線
祖父と祖母の出会いが戦場だというエピソードから、おばあちゃんは医療班かな?と思いながら観ていたらドンピシャな展開だった。おばあちゃんの最期の選択は、より多くの人の生存率を上げるためには何をするべきか?を冷静に、そして個よりも集団を優先していて、イラク戦争の名残りを思わせた。そうだよね、10代の頃に泳ぎが得意だからって今の自分とは全然体力が違うからアテにならない話をしてるなって思ったんだよね。家族を想いながら帽子を握りしめてるシーンはちょっと泣いちゃった。

🦈謎な展開
主人公だけサメに襲われない場面が2回あって、特に1回目の貨物庫でサメと主人公がすれ違うシーンはサメが主人公に興味を持たない理由が見当たらなくて困惑した。何か見逃したかな。あとサメは泡に弱いらしいんだけど最初に助けに来たダイバーも酸素ボンベから泡が出てたと思うし、泡ごと食われてなかった…?

🦈期待した展開
搭乗時、モラハラ野郎が客室乗務員の説明を全然聞いてなかったから、その後の展開で救命胴衣を使うときに「使い方が分からない…!」「ちゃんと聞いとけよ!」て喚きながらサメに食べられる展開を期待しちゃったんだけど、そうはならなかった。富裕層のボンボンだし、飛行機に乗り慣れてそうだからさすがに知ってるか。残念。

🦈伏線じゃなかった
凄腕ボディガードが「誰かが眠くなってきたら酸素が少なくなってきた証拠」と言ってたから、そういう修羅場を期待したんだけど、みんな有能すぎて酸素を確保しに行ったから伏線ではなかった。むしろ酸素を確保するストーリー展開のためのフックだった。そしてあと何時間で酸素がなくなるかを計算できる州知事の娘の有能さよ。すごい。

🦈モラハラコミュニケーション
仲間の脚がサメに食いちぎられたときにモラハラ野郎が「減量に成功したじゃん」て軽口叩いてるのが全然笑えなくて、でも言われたほうはThank youみたいな感じだったから男子特有のコミュニケーションなのか…?と戸惑った。もしかして彼もモラハラ野郎と似てる一面があるのかな。そういえば「俺は工学部卒だ(ドヤァ)」して、絶対客室乗務員も知ってるであろう飛行機の構造の話とかドヤァしながら話してたな…

🦈その他、いろいろ
・死に際にようやく黙ることを覚えるモラハラ野郎
・サメだけじゃなくて巨大タコもいるのか
・最期の言葉がI love youじゃないのつらいね…
・州知事の娘をボディガード無しで守れるとでも?
・じぃじとばぁばとくまのぬいぐるみ
・一瞬だけ救助の希望を見せるのえぐい
・早朝の便に乗ったのにすっかり夜になってる
・主人公の彼氏は主人公を守るために亡くなったんじゃなくて、勝手に足を滑らせてサメにやられたと思うんだけど…美しい思い出に補正されてない?
・トライアスロンしてても溺れるときは溺れる
・帽子取ってきては割と鬼のオーダー
・ボディガードの活躍をもっと観たかった
・せっかくのくまちゃんを拾われてしまった

【余談】
某日本サメ映画♨️を観てから、なんとなくサメ映画の撮影の仕方を知った気になってるんだけど、同じような撮り方だとしたら、ここまで迫力を出せるの凄いなって思った。飛行機が海底に沈むシーンでは某日本サメ映画♨️のジオラマを思い出してちょっと笑っちゃった。
さよこ

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