Kei

パレードのKeiのネタバレレビュー・内容・結末

パレード(2024年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

藤井道人監督が河村光庸プロデューサーとの喪失を経験し、生まれた作品。
この世に未練を残した者達が集う特別な場所を描いていた。

大きな震災後~の話で 長澤まさみさん演じる美奈子が 息子りょうを探すとこから引き込まれた。
坂口健太郎さんのアキラの声掛けによって遊園地のあの場所へ。その場所が電気が灯っていて優しい空間と映像美に拍手を贈りたいです。

とにかくキャラクター1人1人が素晴らしい! リリーさんのマイケルが河村プロデューサーのほんと重なる言動や行動。
実際の出来事も組み込まれた脚本になってることは予告動画でも分かりましたがそれがリリーさんじゃなきゃ出来ないよねって思う唯一無二の存在。

この世界がどんなとこか知らされた時の衝撃の表情…死を受け入れた後の美奈子の表情が少しづつ変わっていくのが印象的。
話を聞く機会が多かった、アキラの優しさも家族の話も自分の家族だったら…と被せてしまう位 考えさせられた。

寺島しのぶさんの かおりの存在がすべてを緩和してくれて、自己紹介の かおりでーす!やられました。
(ファンになりました笑)
スナックかおり のカウンター側がさらに華やかな灯りで かおり そのものに思えたほど。

横浜流星さん、元ヤクザの勝利は刺青から煙草、口調、行動、仕草。想像以上に元ヤクザだった。
この世界でしか生きてこなかった人。
親父へちゃんと会いに行くとこ。
嫁と呼ぶ残してきた恋人への想いが、溢れるほど言葉を発っしなくても伝わってきた。触れること出来ないが、目でも十分に感情出せる横浜流星さん。
ナナに『小娘、おまえはちゃんと生きろよ』 は、初見みて次の日の朝 思い出した言葉。深く、自分にも刺さりました。。

煙草吸いすぎとは思いません。役ですから笑 むしろ、その先の世界へ行く時の光が差し込んで煙草の煙を纏ってる背中越しの勝利そのものに見えてグッときた。優しい顔してドアを閉める勝利にまるで一幕終了のような演出に何度も涙。

そして、タイトルコールでもあるパレード。この世界の沢山の人が集まってきてランタンなどの光に温かくなりパレードする映像に心に震えた。
こうゆう世界があってもいいじゃないかっていう藤井監督の想いを感じました。
救いの場所。
美奈子の子供 りょうへの思い。奇跡のように会話出来てたとこ 真っ直ぐな気持ちが伝わりました。

温かい光と希望へと続く話。
死んだ先の世界を執筆して残すというアキラ。
マイケルの『映画は残るもの』
『映画はいいよ!』がこの映画の河村プロデューサーの思いであり、藤井監督が受け継いだもの映画として受け取りました。。

ナナのストーリーは見てて苦しいとこもあったけど、森七菜ちゃんが驚くほど擦れた高校生だった!この年代の女優さんの未来も明るい!
そして藤井監督のファンタジーが繋ぐラストをもってきてくれた。
人との繋がりも、映画の行く先も続いていく光が差し込んでいた。

奥平くんの りょう がナナと会い語り合うのも胸熱で、そこからの綾野剛さんは見逃しちゃいけないところ。
【マイケルにささげる】からの
『なみしぐさ』エンドロールまでこんなに感極まるとは思わなかった。。
ちゃんと存在してるよって いたね!って語り合いたい。

後悔が残ることはあるかもしれない。
でも
ちゃんと生きよう。

生涯の心に残る一本になりました。

海で美奈子がマイケルさんのよく歌っていた曲を鼻歌で歌っているのよかったなぁ。
Kei

Kei