くまねこさん

ツイスターズのくまねこさんのレビュー・感想・評価

ツイスターズ(2024年製作の映画)
3.8
「ツイスターズ」を丸の内ピカデリーで鑑賞。エンタメ感が強いディザスター映画であり、ストーリー、脚本、キャラ設定、撮影など非常に丁寧でバランスが良い作品だった!

大暴れする巨大竜巻も注目だが、素晴らしいのは、分かりやすく、オーソドックスなストーリー展開とバランスの巧さだと思う。

主人公ケイトの悔恨の念からはじまり、竜巻カウボーイチェイサー、タイラーの粗野な言動、振舞いを抑え、自身の人間性を滲ませていく成長もよい。

ケイト&ハビとのバディ解消→ビジネスより人々を助けようと行動するハビの改心も素晴らしい。その直後に、過去の後悔を乗り越えようと竜巻に対峙・対決するケイトの行動も感動的。

「オズの魔法使」オマージュなチーム名や、町の映画館で上映されてた「フランケンシュタイン」を巨大竜巻という怪物が蹴散らす描写も示唆的。

前作「ミナリ」があんなに地味で静かな作品だったのに、こんな凶暴な竜巻映画を35mmフィルムでエンタメ感一杯に撮れるとは驚いた!
また、原案には「オンリー・ザ・ブレイブ」、「トップガン マーヴェリック」のジョセフ・コシンスキー監督が参加してるのも非常に納得。

タイラーがケイトの実家に突然現れた時に感じた、悪い意味での木村拓哉と松たか子のような「月9感」には少々苛ついたが、恋愛要素を排除したのは正解。(S.スピルバーグ氏のアドバイスがあったとの事)

ケイトが大活躍するクライマックスでの竜巻との対決はヒーロー感があり、従来の性役割が反転しており現代的で好感。

ラストの空港での固定ドリルのギャグも楽しいが、直後の主人公たちの寸止め感、恋愛に行きそうで行かない絶妙なラストは、次回作の想像を掻き立てる丁度良い着地かも。

個人的には、4DXで観ても良かったかも知れない。もう少し怖い体験が欲しかった。

ケイト役、デイジー・エドガー=ジョーンズが前作「ザリガニのなくところ」以上に素晴らしく更に好きになった。