ゆ

成功したオタクのゆのレビュー・感想・評価

成功したオタク(2021年製作の映画)
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監督がこの出来事をただのショックとして終わらせずに、自分の戸惑いを言語化したり、いろんなオタクや記者の方の意見まで記録して、考えさせられる興味深い映画にしてくれたのがありがたい
MMAの会場から、量産されたグッズ一つ一つにもオタクからしたら大事な思い出があることも、チケッティングのシーンも共感しかなかった
そして推しが犯罪者になることがいつ自分の身に起こるかもわからないし、もしそうなったらすごくショックだと思うけど、そんなにすぐに嫌いになったりできなさそうだと思った
でも嫌いにならなかったり、過去の思い出を肯定することが二次加害になるのかもしれないと思うと、許してはいけないことだと思う
映画のことを知るまでチョン・ジュニョンのことは知らなかったけど、チョン・バビのことは私も彼が制作に関わった曲を好きだと思っていたからショックだったし、忘れたり許したりしたらだめだと思った

アイドルのキラキラした部分だけ見て、都合よく推すこともできるし、そうしたら幸せな「成功したオタク」かもしれない
でも推しが犯罪者になっていない今でも、推しがプライベートを侵害されていたり、過酷な労働環境にいたり、会社が社会的に問題があったりして、すでにオタクはただ幸せに推し活できる状態ではないと思う
アイドルにはアイドルである前に人として本当に幸せであってほしいと願うオタクとして、事務所や業界や社会をもっとよくしていく必要があると思う
ゆ