いじゃ

成功したオタクのいじゃのレビュー・感想・評価

成功したオタク(2021年製作の映画)
3.8
オッペンハイマーでの反省を活かして、先にこの映画の主題に関わるバーニングサン事件のWikiを読んで鑑賞に挑んだ。
この映画は決して件のアイドルたちやそれを愛したファン・失望から憎悪を覚えたファンを断罪する作品ではなく、ファンたちがかつて愛したと言う事実と感情との向き合う作品だったな。
人生を捧げるほど愛した人が社会的に過ちを犯した時、もちろんそれは悪い事だと認識すること、その上で自分とどこまで向き合えるかをここまで掘り下げて気持ちを紐解いていくの、しんどいなと思った。
だって愛をくれたのも生きる希望になってくれたのもしんどい時に寄り添ってくれた過去も全部本物だもん。
印象に残ってるのは、
「結婚式にはこの推しの曲を歌うと決めていた思い出の曲は、犯罪者の曲になってしまった。いい曲は他にもあるが特別ではない」
「夜勤の日にあなたが1人で留守番してる時寄り添ってくれたのは彼の音楽だったから感謝してる」
信仰に近いこの推し活を何故するかってとても難しい問い。
ただ、見返りを求めてないとは嘘で、私が信じたいあなたで居てほしいという気持ちは確かにある。

私も細々とだけど推し活やオタクをしてる身としては、オタクにはもちろん、むしろアイドルやコンテンツを生み出す人たちにこそ見てほしい映画だなと思った。