ふみぃぃeeeee

正義の行方のふみぃぃeeeeeのレビュー・感想・評価

正義の行方(2024年製作の映画)
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司法の場ではあくまでも事実として決定づけられたことであり、被害者遺族からしたら心の平穏は訪れることがなくとも一旦"終わりをみせたもの"なのかもしれない。
だが、本当の真相は誰にも分からない。
まさしく『羅生門』的だった。
「飯塚事件」関係者の数々のインタビューが収録されていて個人的には思わず絶句してしまった発言があったが、それぞれの立場からの正義は確かにあるみたいで、思わず印象で語ってしまいそうになるのをグッと抑えなければという自分もいる。
福岡県で起こった事件ということもあって、自分が観た劇場では結構な観客が集まっていた。
前半は特に警察関係者による当時の捜査についての証言なのだが、途中先日鑑賞した『12日の殺人』が頭によぎる。
後半は弁護団の証言、そしてマスコミの責任についても話が及ぶが、ここのダイナミックさが凄くて、最後まで作品に推進力を持たせていた、途方もない構成。
死刑が執行され年月が経った後、西日本新聞社のとある動きはジャーナリズムだなと。
このような特に重大な冤罪になり得る事件に関して、再度検証することって大事だと思うんだけど、そのような機会すらも奪われてしまっているのかということに閉塞感を覚えつつ劇場を後にした。

[2024年 90本目]
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