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MW-ムウ-のJAMのレビュー・感想・評価

MW-ムウ-(2009年製作の映画)
1.5
手塚治虫の原作を叩いて伸ばし、飛び散った欠片を丸めて鍍金でコーティングしたような映画。

緊迫した雰囲気から始まる本作、見ていると「誘拐事件が起こっているんだな~、玉木宏が犯人なのか~」という事実を理解できるのだが、カメラワークがより良い緊張感を演出しようしてあまりにもわざとらしい。序盤十分程度の導入部としてなら、まぁ許せるのだろうが約二十分もの間、この詳細不明の誘拐事件による世界を見せられるわけだ。上手くまとめればもう少し短くできていたとも思うのだが....。その後の展開も実に回りくどいというか引き延ばし臭いというか、何というか。一方的に玉木宏演じる主人公が報復を重ねる姿を描いていて、展開に飽きてしまう。もう一人の主人公とも言える紳士の心理も感情移入しにくくされていて、悲痛な思いなども分かりかねてしまう。全体を通して、紳士が「復讐を試みる友人を止められない駄目な奴」の立ち位置にしか見えない為に、見ているこちらは何とも言えない気持ちとなる。しかしまぁ、報復の仕方はグロいというよりは美しく、それについては見ていて飽きなかっただろうか。手塚作品という事で、期待大だったがそういう意味では外されたという感じだったと記述しておく。
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