染夫木智也

ザ・エクスチェンジの染夫木智也のレビュー・感想・評価

ザ・エクスチェンジ(2022年製作の映画)
4.0
2014年に起きたロシアのウルライナ侵攻を舞台にした作品。
戦争時に子供が捕まったことを知った親から自ら助け出そうとする実話。

いくつかの実話から着想を得て制作されたと記載はあるが、脚本担当された方のYouTubeで登場人物はほぼ実在していた人で物語も実話の話とコメントされていたのが非常に印象的だった。

そして、この映画を2021年にウクライナの首都キエフで撮影された。しかし、2022年ロシアの攻撃により撮影場所は破壊され、映画に関わったスタッフやキャストは現在ウクライナ軍に入ってるらしい。なんとも言えない衝撃の事実だ。

あらすじ
外科医の父親のもとへ息子から着信があり、出ると知らない男子が「息子を捕虜として捕まえた」と連絡を受ける。救うために自ら身代金を持って戦争の最前線を目指すが、そこに息子がいなかった。。。

ストーリー自体、大切な人が捕まって助けに行くってよくある構造なんやけど、助けに行く人がぽっちゃり民間おじさんって新鮮やし、そもそも実話ってことに驚きしかない。
「もう絶対無理やん!」って2.3回あるけど、そこからの展開もすごい良い。
エンドロールでいくつの捕虜が解放される実写のシーンがあるのも凄い印象的だった。

ロシアとウクライナのそれぞれの父親が息子のために命をはって救い出す話で、どちらかと言えばアクションよりも人間ドラマかな。
敵同士でも、大切な人を守る気持ちは同じってところがより胸に突き刺さるし、それを考えると戦争なんて早くなくなればいいのにってあらためて考えさせられる。
そう、これはお互いの父親がそれそまれの息子を救うために協力しあう物語。

実際こういう現実があり、それを映画を通してしれることは大切なことだと思う。
一人でも多くの方へ見てほしい作品である。