ジャウム・コレット=セラの作品。間違いなく「ダイ・ハード」と同じ系譜にあるクリスマスのホリデームービーではあるものの、脚本と編集に無駄がなく冒頭から緊迫感が継続したまま最後まで楽しめながら観ることができる超ド級のエンタメ映画。古臭さというか懐かしさが残る展開の中にしっかりと現代的なエッセンスが脚本としてまとまっているのが良い。空港の保安官の荷物チェックという狭く限られたシチュエーションに焦点を当てているのもなかなか興味深い。この手の映画の作りとしてはほぼ満点に近いのではないだろうか。以前はそれこそ「ダイ・ハード」「スピード」といった誰でも楽しめるような娯楽作品が年末年始には多くあったがハリウッド映画は衰退の一途を辿るのみ。今こそ配信プラットフォームがそのような作品を作って映画業界を盛り上げようとするような心意気が伝わってくるのが面白い。