【来世】
「神はいない。人間の考えているよう神は。ただ、来世はある」
避けられない死を静かに受け入れようとする娘。
受け入れることの決して出来ない母親。
たとえ病だとしても、同じような家族は多いに違いない。
しかし、この作品が秀逸なのは、本当は避けられる、或いは、あって良いはずのない死も併せて見せることによって、僕たちに考えさせようとしているところだと思う。
ウクライナ、ガザだけでは決してないだろう。
飢餓や貧困だってきっとそうだ。
この映画のテーマに沿っているかは分からないが、「死とは何だろうか」と考えることが出来る僕たちはかなり恵まれているに違いない。
確かに鳥の言う通り、人間の考えるような神なんていない。
それは、バカみたいな戦争を繰り返していることを考えれば理解出来る。
しかし、来世はあるのだと。
信じてみようと。
もしかしたら、来世とは、幾多もの不幸を乗り越えた人々が作るであろう未来を指しているのかもしれない。
鳥の言葉に耳を傾けてみて下さい。
ファンタジーだけれども、僕もそれはそうだと信じたくなる。