このレビューはネタバレを含みます
『どこかで恨みを買っていませんか?』
転売ヤーを生業としている吉井の身の回りで不可解な出来事が起こるようになり。その目に見えない悪意が徐々に大きな事件に繋がっていくって話。
序盤から不穏な演出モリモリで。そこはやはり黒沢清ということで。とにかく怖がらせるのが上手いこと。
特にノイズのような劇伴や環境音から足音に至るまで『音』での演出が気味悪すぎる。
そんな不穏・不穏・不穏な前半部分からの……
なんじゃこりゃ な後半😅
特にエンディングはかなりモヤモヤの残る終わり方で。リアルにポカーンとなってしまいました。
総括してかなり黒沢清らしい気味の悪い作品に仕上がってるものの。個人的に後半からの展開でダレちゃったので。そこだけ唯一不満かな。
※ここから少しネタバレ含みます※
現代における嫌われ者の代表とも言える転売ヤーが題材になってることから。現代社会への警鐘映画なのかな…って思うけど…。
登場人物全て程度の違いはあれど悪の人達。
その中でもやはり佐野くんが裏社会に繋がってるぐらいのすごい悪いやつ。
かたや主人公の吉井は悪意はないんやろうけど転売ヤーっていう仕事をしてるから必然的に恨みは買ってしまうし。
上司からの昇進話や先輩からの儲け話とかの『好意』を無下にしたりと。色々と無関心。
この無関心や無意識の悪意がいずれ本当の悪に染まっちゃうよっていうことなのかなって思ったり。
きっとこの映画同様に悪意って以外と私達の直ぐ側にあるんかもしれへんくて。
そこの見極めって重要やね。
『(君も)狙われている。』