黒澤とスターウォーズをつなぐもの
東映の最新時代劇大作。大泉洋が室町時代の一揆で名を轟かせた自由人を好演。時代劇のダイナミックさを体現したアクション、なにより一揆のシーンの超大人数の規模感に『七人の侍』をはじめとした黒澤明時代劇への敬愛を感じる。また、才蔵の試練の場面は『スターウォーズ』を彷彿とさせジョージルーカスが黒澤に影響を受けて昇華させた要素がよりわかりやすく感じられた。
ただ、アコースティックとピアノ中心のスコアが時代劇にそぐわない印象を受けた。入江悠のことなので、時代劇に新風を吹かせる意図などありそうだが、率直に言えばチープで重厚感に欠けるのが残念。オーケストレーションによる音楽も使われていたので、そちら中心にすればよかったと思わずにはいられない。
そして、全体の空気は黒澤明時代劇と類するが、決定的に違うのは女性が物語の推進力となっていないところ。要所で女性も登場するものの、それが物語を引っ張るわけではなく見守り巻き込まれるだけに留まっている。
※今作のFilmarks評価点は多数の捨て垢満点レビューを加味したものなので信用しない方がいいですよ