ピレネー犬727

室町無頼のピレネー犬727のレビュー・感想・評価

室町無頼(2024年製作の映画)
3.2
相当に金が掛かっており、千人単位のエキストラも使っているかなり気合いの入った作品。ただ、それが上手く行っているかどうかはやや微妙でした。

まず音楽が時代や場面とあまり合っておらず、出来がイマイチだったのが残念でした。また、台詞回しも特に前半は大声でがなり立てるばかりの単調な演技が多く、見ていてちょっと白けてしまいました。

しかし、民衆が飢饉や疫病、重税、借金に苦しみ、まるで北斗の拳のような荒廃した社会になっているのに、贅沢三昧の都の権力者達は気にも留めず「まだまだ絞り取れる」とか笑っているシーンは、今の石破、岸田、宮澤と財務省官僚の密談を見ているようでもあり、なかなかに面白かったです。そして終盤の土一揆(徳政一揆)の場面は観客誰しもを興奮させる物があると思いました。

全体として、自分の場合は作品にあまりリアリティが感じられず、今一つ乗り切れませんでしたが、室町時代は時代劇でも取り上げられる事が少なく、大河ドラマでも「花の乱」「太平記」ぐらいしか無いそうなので、本作を歴史の勉強代わりに一応見ておくのもアリかとは思いました。


※※当時の時代背景の参考リンク※※

徳政令とは何?借金を合法的に踏み倒せた背景とは?
https://hono.jp/kamakura/tokuseirei/

【土一揆の主役】室町時代のトラック野郎 馬借を解説!
https://hono.jp/muromachi/tutiikki/

「土一揆・徳政一揆がよく分かる動画」
https://youtu.be/cTDpZ2qDEnk?si=N_ot7qBHvmm8nkKX